<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 野望>
<Format: 格式不明>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文有假名>
<style2: 日本現代譯文附假名標注>
<TranslatedTitle: 野望>
<BookPage: 372>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
西山白雪三奇戍，
南浦清江萬里橋。
海內風塵諸弟隔，
天涯涕淚一身遙。
唯將遲暮供多病，
未有涓埃荅聖朝。
跨馬出郊時極目，
不堪人事日蕭條。
<End Poem>
<Translation>
西山（せいざん）の白雪（しらゆき）の輝（かがや）くあたりに、三（み）つの要塞（ようさい）が見（み）え、ここ南浦（みなみうら）の地（ち）に流（なが）れる清（きよ）らかな川（かわ）には、万里橋（ばんりきょう）が架（か）けられている。天下（てんか）は今（いま）も戦乱（せんらん）が続（つづ）いて、弟（おとうと）たちと遠（とお）くへだたってしまい、空（そら）のはてともいうべき、この成都（せいと）の地（ち）に涙（なみだ）を流（なが）しているわたしは、遥（はる）かにわが身（み）一（ひと）つをここに置（お）いている。

ただ、老衰（ろうすい）の晩年（ばんねん）を、多年（たねん）の病気（びょき）に捧（ささ）げてばかりいるようなありさまで、いまだに、聖天子（せいてんし）の御恩沢（ごおんたく）にほんのわずかでもお答（こた）え申（もう）し上（あ）げたことはない。馬（うま）にまたがり郊外（こうがい）に出（で）て、時（とき）には目（め）のとどく限（かぎ）り、遠（とお）く見（み）わたせば、人（ひと）それぞれの生計（せいけい）を立（た）てるいとなみが、日（ひ）ごとに荒（あわ）れすさんで、ものさびしくなっていくのに、堪（た）え難（むずか）い思（おも）いがつのるのである。
<End Translation>